エスティマ(初代)
初代エスティマってどんな車?
○トヨタ自ら「天才タマゴ」というキャッチコピーを用いて、丸みを帯びた外装、日本車離れした内装デザインが魅力
○サイズや価格、静粛性でのデメリットもありながら、それ以上の魅力で根強いファンを魅了している
○ミニバンのイメージはフロントエンジンですが、初代にのみキャブオーバータイプを採用
余談
良くも悪くも、まだミニバンというジャンルが現代ほど確立していない中で、試行錯誤をしながら、独創的なものを作り出そうとしていたことを感じることができる。
本来搭載予定のエンジンの開発失敗など、現代のトヨタではなかなか考えられないことも、時代を物語っています。
今になって振り返ってみれば、もっと改善できた点はたくさんあったと思いますが、当時は誰もそんなことは気付きませんし、その失敗や経験が、メーカーならびに技術者の育成にもつながるという、一時の利益ではない成果をあげた車ではないでしょうか
ちなみに私は様々なデメリットがあったとしても、それ以上の個性に魅力を感じてしました♪
ちなみに整備士目線(筆者は2級自動車整備士です)では、整備性ははっきり言って悪いです。
理由は単純で、フロントシート下にエンジンがあり、基本的には何をするにしても車をリフトで上げる必要があり、シートの座面を外すことも多かったです。
普通の車ならエンジンルームでオイルが少し垂れてしまったり、何かで汚れてしまっても拭き取ったり流したりすれば良いだけですが、車内の場合はそうはいきません。
ハイエースなども近い構造ですが、あちらは商用車としてトヨタが長年作ってきた経験が生かされていて、整備性も良く、そもそも故障率も圧倒的に少ないです。
そのため、ユーザーは喜び、整備士は涙するというのが、初代エスティマです(苦笑)
概要
1989年に幕張メッセで初開催された第28回東京モーターショーにコンセプトモデルとして出展。動くカットモデル」の展示は大きな反響を呼んだ。
約半年後の1990年5月12日に市販され、卵のような近未来的なスタイルで「高性能ニューコンセプトサルーン」として注目を集めた。従来のワンボックスカーでは前輪の前、運転席の下に置かれていたエンジンを75度倒してフラットフロアにし、前輪も運転席の前に配置した。ミッドシップカーは狭くて実用性に欠ける」という常識を覆したのである
当初のコンセプトは、当時トヨタが開発していた2ストロークエンジン「S2」を搭載した新世代MPV(多目的車)だった。
しかし、排ガス対策の未解決で開発が停滞し、急遽ハイエースの部品を流用して一般的な直列4気筒2.4リッターエンジンを搭載し、どうにか日の目を見た。
商用グレードのない独立車種で、サスペンションは前軸がマクファーソンストラット式、後軸がダブルウィッシュボーン式または4リンク式と区別しており、国産車としては珍しい仕様である。
発売当初はモノグレードの7人乗りのみで、レイアウトはミッドシップか4WDだった。搭載エンジンは2TZ-FE型直列4気筒2438cc(135ps)の1種類のみである。
発売と同時に驚きをもって迎えられたエスティマですが、気になる点も多く
・5ナンバーサイズ(小型乗用車)に収まるキャブオーバー型ミニバンが主流だった当時の日本(当時は1991年6月に発売されたバネット・セレナが人気を集めていた)にはサイズが大きかった。
・販売価格も当時のミニバンとしては高価すぎた(296万5000~335万円)
・2.4リッターエンジンは北米市場(アメリカ、カナダ)には非力で、欧州市場には販売価格も高価であった。
欧米市場では「プレビア」、オセアニア市場では「タラゴ」として販売された。
競合他社がV型6気筒エンジンを搭載する中、エスティマはエンジン出力で劣り、エンジンがシート下(キャブオーバータイプ)にあるため振動や騒音が大きく、静粛性に劣るため、価格以上に静粛性•高級感がないと評価された。
モデルライフ
コンパクトな2ストロークエンジンを搭載した新世代MPVという予定が、コンセプトの要であったエンジンが完成しなかったため、エスティマは非常に不遇なモデルライフを送った。
2代目、3代目とモデルチェンジした後も、その独特のスタイルからカスタムカーのベースとして使われることが多かった。特にセルシオ(2代目後期)のフロントに移植可能な社外パーツが販売され、移植車は通称セルティマと呼ばれたこともあった。
MR型ならではのバランスの良いハンドリングと安定性から一部のマニアにも人気があり、何台も受け継がれるケースも少なくなかった。
マイナーチェンジ
1998年1月 外装デザインを一新し、新たにエアロパーツを装着した「アエラス」を発表。
全グレードがスーパーチャージャー付きとなる。
燃費についても日々改良が続けられ、街中ではそれほど違いを感じなくても、高速走行時には明確に違うほどの燃費向上が図られている。
しかしながら、1994年10月に登場し大ヒットを記録していた初代ホンダ・オデッセイの存在により、もともと低迷気味であった売り上げの回復には至らなかった。
新車本体価格(税込)
296.5 – 335万円
※新車当時の価格です。
年式の兼ね合いから、価格や詳細情報の掲載されたカタログを見つけることができませんでした。
そのため、今回は比較ではありませんが、簡易的な概要を添付させていただきました。
ボディタイプ | ミニバン・ワンボックス |
ドア数 | 4ドア |
乗員定員 | 8名 |
型式 | GF-TCR10W |
全長×全幅×全高 | 4750× 1800× 1780mm |
ホイールベース
|
2860mm |
トレッド前/後 | 1560/1550mm |
室内長×室内幅×室内高 | 2800×1635×1220mm |
車両重量 | 1710kg |
エンジン型式
|
2TZ-FZE |
最高出力 | 160ps(118kW)/5000rpm |
最大トルク | 26.3kg・m(257.9N・m)/3600rpm |
種類 | 直列4気筒DOHC16バルブICSチャージャー |
総排気量 | 2438cc |
内径×行程 | 95.0mm×86.0mm |
圧縮比 | 8.9 |
過給機 | Sチャージャー |
燃料供給装置 | EFI(電子制御式燃料噴射装置) |
燃料タンク容量 | 75リットル |
使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
10モード/10・15モード燃費 | 8.4km/リットル |
JC08モード燃費 | km/リットル |
ステアリング形式 | パワーアシスト付きラック&ピニオン |
サスペンション形式(前) | マクファーソンストラット式コイルスプリング(スタビライザー付) |
サスペンション形式(後) | 4リンクコイル式スプリング |
ブレーキ形式(前) | ベンチレーテッドディスク |
ブレーキ形式(後) | ベンチレーテッドディスク |
タイヤサイズ(前) | 215/65R15 96H |
タイヤサイズ(後) | 215/65R15 96H |
最小回転半径 | 5.7m |
駆動方式 | ミッドシップ |
トランスミッション | 4AT |
LSD | – |
後退 | 2.393 |
最終減速比 | 3.909 |
運転席エアバッグ | 標準 |
助手席エアバッグ | 標準 |
サイドエアバッグ | – |
ABS(アンチロックブレーキ) | 標準 |
トラクションコントロール | – |
前席シートベルトプリテンショナー | 標準 |
前席シートベルトフォースリミッター | 標準 |
後席3点式シートベルト | 標準 |
チャイルドシート固定機構付きシートベルト | 標準 |
サイドインパクトバー | 標準 |
エアコン | デュアルエアコン |
パワーウィンドウ | 標準 |
集中ドアロック | 標準 |
ステアリングテレスコピック機構 | |
ステアリングチルト機構 | – |
10. 国籍や人種、性別に関係なく、誰もが平等に働ける職場環境を整えています。例えば、 記事の執筆やプロジェクトの企画などでは、性別や年齢、国籍に関係なくチームワークで取 り組んでいます。また、リモートワークやフレックスタイム制を導入し、満足度を高めています。